モラルの低下が謳われています。何故か。どうしたら良くなるのか。それを考察しましょう。
 原因は簡単だと思います。

 個人が大切にされすぎているから

 大抵のことはこれで説明がついてしまうのではないでしょうか。
 マスコミは盛んに煽りたてます。“もっと自分を大切にしよう”、“自分らしく生きよう”、“自分にしかできないことをする”、“個性を伸ばす”みたいな台詞が恥ずかしげもなく流されています。
 ここで振り返ってみましょう。この世界に、あなたにしかできないことはありますか?皆さん、やっていることは先人の模倣しかないでしょ。管理人には、どう考えても自分にしかできないことが見つけられません。
 みんな、他の人間でも取り返しの効くことくらいしかできないのです。なのに、その現実と全く反対のことばかり言われ続け、そのうち自分はこの世になくてはならない人間だと思い込むようになるわけです。この台詞は、周りの人から言われるならまだしも、自分から言うべき、考えるべきことではありません。

 少し脱線しますが、管理人はSMAPの世界に一つだけの花という歌は大嫌いです。Only Oneって何ですか?誤差の範囲での違いをいちいち挙げればがOnly Oneにはなるでしょうが、周囲はそんな細かいところまでいちいちみたりなどしません。イチローという野球選手はOnly Oneが嫌いだと言っていました。管理人は、彼のことはよく思っていませんが、そう言ったことについては評価しています。

 そりゃあ、誰だって特別扱いしてもらいたいですよ。その心を巧みに突かれておかしな人間が出来上がるんですね。“いいとこ取りして〜”なんて宣伝文句がいい例です。一人がいいとこ取りしたのなら、別な人間は残り滓を掴まされるわけでしょ。自分さえいいとこ取りできればいいと考える人間は、その滓を他人に押し付けているに他なりません。
 まあ、いいとこ取りするにしてもそれなりの代償を払うならいいでしょう。飛行機の中で足を伸ばしたいならファーストクラスの代金を払えばいい。新製品を誰よりも早く入手したいなら発売前日から店の前に並んで徹夜で夜露を凌ぐという代償を払えばいい。もちろん高い金を出すのが嫌ならエコノミーに乗ればいいし、一晩中寒い所で立っているのが嫌なら遅れて入手すればいいわけで。
 それなりの対価を払うことで特別を手に入れるのは問題はないでしょう。問題は、最初から特別だと思っている人間は特別なことをしてもらうのが当たり前だと思うようになることです。

 特権階級という言葉があります。努力を重ね、運にも恵まれてそこに到達できる人間はそれでいいと思います。一般の人が文句を言うのは、世襲制度のようなものなんでしょうね。親が特権階級にいるからその子供も特権を得られるのはおかしい、と。確かにまっとうな意見ではあります。
 しかし、管理人はそれには反対します。胸に手を当てて考えなさい。あなたの親がお金持ちで、不自由のない生活を送れたとします。あなたは、今こうしてお金があるのは親のおかげであって自分の功績ではない。だから、親の支援なく生きていきます、と言うのですか?言えるはずがないんだよ。管理人にはそんな勇気はない。

 さて、大体の問題点はわかってきました。
 自分は大事な人間だと勘違いする
 現実では、肝心の自分は特別なところにはいない
 自分が特別な扱いを受けられないのは不当である
 だから特別な(特別に見える)人間が気に入らない
 自分を特別扱いしてもらうよう画策する
 こんな感じで社会の営みを妨害する人間が出来上がっていくんでしょうね。

 モンスターペアレントに然り。クレーマーに然り。“特例”を求める人間に然り。
 
 さらに問題点があります。自分だけが特別に損した場合は文句を言うんですね。特別に得をした時は全く感謝しないくせに、です。
 スピード違反で捕まった時、“他にもっとスピードを出している車があるのになんで自分だけ捕まるんだ”、ネット書き込みで捕まった時、“他にも同じことをしている人間がいるのになんで自分だけ捕まるんだ”
 ここまできたら、こういう言い分は歯牙にかける必要がないのはお分かりですね。“逆に自分だけ追及から逃れた時には自首するのか?”するはずがない。
 
 どうしても特別扱いされたいのならルールを変えるしかない。そうなるためには自分が偉くなって規則を作れる立場にまで上っていくか、自分が犠牲になって周りに同意を得てもらうしかないのです。
 偉くなる努力をするのはいや、犠牲になるなんてもってのほか。そういう人間は死ぬまでその他大勢でいて、不満を言ってもいけないのです。




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特別な人間はいない